361 :バカルディ・151プルーフ ◆yPCidWtUuM :2006/03/13(月) 20:00:49
これは明らかに黒の連中の仕業だ。
けど、ブラックスターはいいとして、もう一つのレインボークォーツって何だ。
もしかしてあれか、大竹がこないだ拾った石の名前か?
それにしても何で俺のところに奴らは来たんだ?
『大竹さんへ』って何だそりゃ。俺は三村だ。
しかもブラックスターがあいつのだってことは知ってるはずなのに。
…っていうか俺のフローライトに用はねえってか。それはそれで腹立つな何か。
いやそれどころじゃない、大竹だ。
俺のとこに何もないってわかったら大竹が危ないじゃねえか!
自分のものでない石のことで家に押し入られた理不尽さに一瞬苛立った。
が、石がこれに絡んでいるのだとすればそれよりも何よりも相方の身が心配だ。
こうしている間に、あいつが黒の奴らに襲われていたりしたら…!
駅で別れた大竹は早朝ロケにかなり疲れた様子だった。
まだ昼過ぎなのに帰って寝るなどと言っていたから、無事なら自宅にいるはず。
ひどく震える指を電話器のボタンに伸ばす。
そらで言えるほどかけ慣れた番号なのに、焦りと不安でなかなかうまく押せなかった。
よく考えてみれば石を持っている相方はなおさら危ない立場だ。
石をめぐって戦闘にでもなっていたら大変なことになる。
ブラックスターは防御用だし、レインボークォーツはあの戦闘後、大竹が回復に使おうと試して失敗していた。
持ち出した虫入り琥珀は攻撃用だが、仕事が減った今使うにはリスクが大きすぎる。
どうか無事でいてくれと祈りながら、通話口に親友で相方の男が立つのを待つ。
ほどなくして受話器からは緊張感のない大竹の声が聞こえた。
「もしも〜し」
「…タケ!」
「あ?何だ、お前か。どうしたよ?」
「タケちゃん、いやアレだ、大竹お前、お前無事だな?」
「…無事だけどよ、おい三村、何があった?」
「あの、アレだ、その、黒だよ!」
「落ち着けバカ、アレとか黒とか意味わかんねぇだろ、ツッコミじゃねんだからよ」
「家に紙があって、お前の石がアレだ、いやお前のだけじゃね〜けどあの、アレ…」
…くそ、何も言葉出てこねぇ…。
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