363 :バカルディ・151プルーフ◆yPCidWtUuM :2006/03/13(月) 20:03:26
「…あーもうわかった、今からお前んち行くから大人しく待っとけ、な」
要領を得ない三村の言葉から辛うじて「三村の家」「自分の石」「黒いユニット」というキーワードをつかみ、
鞄にしまいこんでいた三つの石を持って家を出る。
あの三村という男は昔から、興奮すると混乱して話ができなくなるのだ。
いい加減付き合いも長いが、そういう所はまるで変わらない。
全く困ったもんだ、と溜息をつきつつ、三村家へと道を急ぐ。
電車代も馬鹿にならないし、黒の連中に交通費でも支給してもらいたいもんだ。
小さく一人ごちて、最寄りの駅の券売機のボタンを押す。
電車を降りて数分後、マンションにつくと、わざわざ下まで降りて入口で待つ三村の姿があった。
「三村」
「あー大竹、こっちこっち!」
声をかけると相方は早くついて来いと目でうながしてくる。
それに誘われるように小走りであとを追って、辿りついた三村家の玄関と床はひどい有様だった。
「…なんだこりゃ」
呟いた後絶句した俺に三村は言う。
「帰ってきたらこうなってて…居間にこれが」
手渡された走り書きの置き手紙に目を見開く。
『大竹さんへ ブラックスターとレインボークォーツを渡して下さい』
…おいおいおいおい。探偵の真似事でもしろってか、コンチクショウ。
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