バカルディ・151プルーフ[9](side:三村)


379 :バカルディ・151プルーフ◆yPCidWtUuM :2006/03/13(月) 21:47:42 

大竹と話している最中に、玄関のチャイムが鳴った。 
妻と娘が帰宅したのかと一瞬思ったが、もう少し遅くなると言っていた気がする。 
いったい誰だ? といぶかしみながら応対に向かう。 


「はい、どちらさんっすか?」 
『どうも、三村さん』 


聞いた覚えのある声。でも、確証が持てない。 
ただ、どう考えてもコイツは今、招かざる客だ。 


「…誰だ、お前」 




少し低くした声で問うと、扉の向こうで少し迷うような気配があった。 
しかし結局名乗る気はないらしく、返答は微妙なものだった。 


『黒のモンです、開けて下さればわかりますよ』 


その言葉に覚悟を決めて扉を開こうと手を伸ばす。 
後ろで大竹の石の気配がして、ああ、使ったな、とぼんやり思った。 


「どうもこんばんは、お久しぶりです」 


…そうか、お前も黒だったんだな。 


「…土田」 


ここのところよくTVで目にするU-turnのボケ担当がそこにいて、なぜか少し悲しくなった。