690 :バカルディ・ゴールド (3):三村 ◆yPCidWtUuM :2006/07/10(月) 23:30:29
…どっちがいい、なんて聞いたって、どっちもよくないって答えることくらいわかってる。
猿岩石は白でも黒でもないらしいが、どっちかと言えば白寄りなのだと聞いた。
それだからこそ黒が襲撃をかけないといけないんだろうが、こちらとしては一応戦闘を避けたいのだ。
基本的にめんどくせぇから闘いたくないし、闘う理由なんて本当はなかった。
「…やっぱ、どっちも嫌だよな」
「「嫌に決まってるじゃないっすか!」」
呟くと猿岩石の二人がユニゾンで答え、ぎっ、とこっちをにらんできた。
ああ、こういう目をむけられるような人間になっちまったんだなあとちょっと寂しくなる。
でももう後戻りなんてできないから、悪役も演じきらなけりゃならない。
「んじゃ、悪いけど貰うわ、お前らの石」
台詞とともにとりだした石は、静かな顔で手におさまっている。瞬間、有吉が叫んだ。
「くそ、三村さんは攻撃系ってのしか100円じゃわかんねえ、森脇500円ねえか?」
「ねえよ、漱石1枚と100円と10円しかねえ」
「札どっかで替えてもらってきてくれ」
「何でだよ、お前の使え!」
「アホ、俺は札なんか持ってねえよ!」
「…威張んなよ…しゃあない、行ってくる!」
そう言って森脇はダッとその場から走り出す。
500円、ね。そういえば土田に聞いたら言ってたな、小銭で能力がわかるんだっけか。
金額が大きくねえと細かいことはわからねえんだっけ?はは、めんどくせえな。
「いいのか?相方行かせて」
「…アイツが帰ってくるまでくらい、どうにかするっすよ」
「そっか、ならいいや」
…心おきなく、石使えるじゃねーか。
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