バトロワ風[2]


スピードワゴン編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   投稿日:04/08/11 17:43

「…こんな石に意味なんてあるのかよ…。」
森の中、井戸田は歩きながら石を見た。
井戸田に渡された石は、何か金色のような石だったが、石は煌きを失っており
見るも無残な汚い色をしていた。
「しかも武器、俺も小沢さんもはずれみたいだし、こんなんじゃ他人の石取れないな…。」
二人はスタートしてすぐ合流し、お互いの武器を見たが
小沢はフォーク 井戸田はナイフだった。
ナイフと言っても、料理を食べるときに使うようなナイフだが。
「これで食事でもしろってか!?」
井戸田は少し自棄になりながらも歩いた。

森はまだ続く、見渡す限り緑の木々が立ち並ぶ。
井戸田はもうその見慣れた景色に心底うんざりしていた。
もうかれこれ、30分は歩いただろう。
「…はぁ〜……疲れた〜…って、小沢さーん?何処に行くんだよ!」
井戸田は叫んだ
先を歩いていた小沢が急に何かを見つけたように走り出したからである。
井戸田はあわてて追いかける。
「潤さん!何か工場みたいな所がある!」
小沢は振り返ってそう叫んだ。
「本当??」
井戸田は小沢の後を追いかけると、確かに工場らしき建物があった。
周りは薄暗い森・古ぼけた工場、何かありそうな予感がした。

「…ここで武器とか手にはいらねーかな?」
井戸田は言う。
「じゃあさ、ちょっと見てみない?」
小沢はそう言うと、工場の入り口まで歩いていきシャッターを警戒しながら開けた。
―ガラガラガラ。
錆び付いたシャッターが、嫌な音をたてる。
警戒しながら中を覗き込む、がそこに他の芸人の姿は無い。
「・・どうやら、安全みたいだね小沢さん。」
井戸田はほっ、と胸を撫で下ろしたように言った。
「うん・・とりあえず、中を見てみようか。」
二人は工場の中に入っていった。
それを、影から見る人物が、二人。

「…最初の獲物は、あいつらだな。石の使い方、まだわかってないようだし。」

能力に目覚めた、危ない二人。