バトロワ風[3]


362 名前:ビッキーズ編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   投稿日:04/08/11 17:50

その頃、ビッキーズの木部と須知は広い草原にいてお互いの武器を見ていた。
「…しかし、使えないわ〜…なんで俺の武器は俺の法被(ハッピ)でお前は飴ちゃん 
 入れるざるやねん。漫才でもしろってことか?」
須知はため息をつきながら言った。
須知のバッグに入っていた武器は漫才で着る自分の法被。
木部のバッグに入っていた武器は飴ちゃんを入れるざるだった。
「…本当、使えへんな…。」
木部はそう言って、出るときに貰った石を手に取って見た。
「…この石も、使い道わからへんし。」
木部に渡された石は、赤と茶色が混ざったような色をしている。
「ざるじゃ…相手殴ってもダメージゼロに等しいもんな。」
木部はそう言うと、何気なくざるを手に取った。

すると。突如ざるが光りだした。
ざるは煌き、瞬く間に光を広げていく。
「うわ!何やこれ!!」
須知が驚く。
「何!?何何々!?!?」
木部はざるを持ったまま、慌てふためいている。
「落ち着け!兎に角、ざるを離せや!!」
須知が木部からざるを強引に取ると、ざるを投げた。
クルクルとざるは飛んで、やがて草むらに落ちた。
「…あぁ…ビックリした…。」
木部はほっと胸を撫で下ろした。
ざるは変わらず光っている。
「…どうなってん?あのざる。」
須知はざるを見て言った。
暫く二人は呆気に取られていた。
その間にざるの光は徐々に弱くなり、やがて消えた。

「…ちょっと見て見よか…。」
須知はそう言うと、ざるに近づいていった
恐る恐る、一歩一歩近づいていく。
ざるにビクビクするなんて、須知は思ってもいなかった。
ざるに近づき、恐る恐る中を見ると、そこには―――

「あーーーーー!!!!!!」

須知の叫びが、あたりの静寂を切り裂いた。
「どうした!?何があった??」
木部は急いで、その場に呆然としている須知の元へ走った。
「…飴ちゃんや…。」
須知はそう呟いた。須知は眼を見開いて、かなり驚いている様子だった。
「飴ちゃん?お前なに言って…」
木部はそう言いながらざるの中を見た。
「あぁぁぁぁ!!!!!」
木部の叫びが、再び静寂を切り裂く。

二人は呆然としていた。
さっきまで、何にも無い只のざるだったのに
光がおさまった後のざるにはビッキーズの二人が、漫才で使う
「飴ちゃん」がざるいっぱいにあったのだから。

「お前・・・何したんや!?」
須知が木部に問いかける。
「俺なんもしてへん!わからへんわ!!」
木部は須知に言う。
「…ちょっとさ、もっかいやってみ?」
須知はそう言うと、ざるの中にあった飴ちゃんを自分のバッグの中に入れ
木部にざるを持たせた。
「・・・」
ざるを持たせたが何も起こる様子は無い。
「ほらー、俺じゃないやんか。」
木部はそう言うと、元居た場所に戻る。

木部が二人のバッグが置いてあるところを見ると
落ちている自分の石と須知の石を見つけた。
さっきまでは確かに持っていたが、ざるがいきなり光り出したので驚いて放り出してしまったらしい。
「あ、おい須知〜、こんな所に石置いといたら失くすやろ??失格になるで。」
そう言いながら木部は須知と自分の石を拾った。
すると、自分の石を拾った直後、持っていたざるが再び光り始めた。
ざるが光ると共に、自分の石が紅く輝いている
「!!この石・・・!」
木部は驚いた。
さっきまで、少しも光っていなかった石が、今眩い程の紅い煌きを放っている。
木部は全ての謎が解けた、と言うように須知に叫んだ。
「須知!わかった!!この石や!この石が飴ちゃんつくってるんや!」

再び、光は収まる。
するとまた、ざるいっぱいの飴ちゃんがざるの上に出現していた。
須知は木部に近づいて、ざるの上の飴ちゃんを見た。
「…また飴ちゃん沢山出来てる・・・。」
須知は驚きを隠せない。
「なあ須知?多分、この石が飴ちゃん作ってると思うねんけど。」
木部は須知に言った。
「…何やて?この石が、飴ちゃん作ってるって言いたい??」
須知は疑うような眼で木部を見る。
「何でお前は肝心な所見ない??今さっきまでこの石光っとったやんけ!」
木部は須知に叫んだ。

「あー、ごめんごめん、もっかいやって?」
須知は少しも悪びれない態度で木部に言った。
「はぁ〜…わかった、もっかい見せるわ。」
木部は石を手に取り、ざるを手に取った。
すると、石は紅く煌き、ざるも光り始めた。
「おぉぉぉ〜。」
須知は思わず感心してしまった。
そして、暫くしてまた光は収まった。
またざるいっぱいに、飴ちゃんがその姿を現していた。
「…な?凄いやろ、この石。」
木部は驚いてざるを見たまま動けずにいる須知の顔を覗き込んで言った。
「凄いけど…でもな、お前・・・。」
須知は木部を見上げた。
「何?」
「飴ちゃん出せても、敵の石は取れへんよ?」

「…」

二人の身体を、風が「ひゅう」と駆けていった。



ビッキーズ編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   投稿日:04/08/11 17:58

木部 信彦(ビッキーズ)

石・・・ガーネット
能力・・・ざるみたいな入れ物を持つと「飴ちゃん」を入れ物いっぱいに生産する
     飴は食べることにより、体力、及び力の回復が可能(外傷は治療不可。
条件・・・あまり大量生産し過ぎると、木部の力が無くなり
     飴ちゃんが全て消滅する。
     因みに、他の芸人が食べても体力と力の回復は出来る。