バトロワ風[5]


スピードワゴン vs ???編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   投稿日:04/08/13 21:05

小木と矢作がダンディの石を奪った森の近くにある古ぼけた工場に武器を探す二人がいた。
スピードワゴンの二人である。
その二人を狙う、ある男たちがいることを、二人は未だ知らない…。

「…結局手に入ったのはこれだけか…。」
井戸田は軽く、ため息を吐いた。
あの後、手分けして工場内を探索したものの
殆ど武器らしい武器と言えるものは見つからなかった。
とりあえず、工場にある材料の鉄パイプ等を武器として利用することにした。
「…鉄パイプなら、相手殴って気絶させることぐらいは出来るよね?小沢さん。」
井戸田は、鉄パイプを持って小沢に問いかける。
「うん…まぁね。…とりあえず、この工場は安全そうだし、少し休もうか…。」
小沢はそう言うと、地べたに腰を下ろした、井戸田も、腰を下ろす。
工場内はあまり物が無く、空虚な空間だった。
周りを見渡しても、ドラム缶の塊が少ししかないくらいだ。

04/08/1321:08
「…それはそうと、この石、何のためにあるんだ?」
井戸田は石を取り出して言った。
汚い金色の石、この石が一体何の役にたつのだろうか。と井戸田は思った。
「さぁ…?何か利用出来るのかな?」
小沢も、石を取り出してみる。
小沢に渡された石は、最早何色だかわからないくらいに汚れていた。
「それとも、これを守るだけ、とか?こんな石を守って何の得があるんだろ?」
井戸田はこんな馬鹿げたゲーム、早く終えたい、と思った。
石なんて役にもたたない、無意味じゃないか。と。
「…馬鹿馬鹿しいよね、こんなゲーム。こんな石、意味ないもん。」
小沢はそう言うと、上着のポケットに石を仕舞い込んだ。

「…じゃあその石、俺らに渡してくれないかなぁ…?」

突然、空虚な工場内に、低い声が響いた。
「・・!誰っ!?」
小沢は工場の入り口を見て、立ち上がる。
井戸田も、遅れながら立ち上がった。
その刹那、小沢の右腕に『矢』が突き刺さった。
「――ッ!!」
突如襲い掛かった苦痛に小沢は声にならない悲鳴を上げる。
「小沢さん!!」
井戸田は腕に矢を刺されてよろめく小沢を支えた。
工場の入り口から、二つの黒い影がゆっくりと近づいてくる。

「…このゲームが馬鹿馬鹿しいんでしょ?…だったら、その石。早く渡してよ。」
そう、言いながら影は二人の前に姿を現す。
入ってきたのはあばれヌンチャクの二人だった。
斎藤(やっくん)が手にボウガンとリュックを持っている。
どうやら小沢に矢を放ったのはやっくんのようだ。
「…!ふざけんな、誰がお前らなんかに石を渡すかよ。」
小沢はそう言いながら痛みを堪えて、矢を腕から引き抜くと、二人に投げた。
相当今の不意打ちが気に喰わなかったのだろう、小沢は敵意むき出しの状態である。
「…どうやら、渡す気は無いようだよ?お兄さん。」
斎藤が困ったように竹内(お兄さん)に言う。
「それなら、ここで「殺す」しか無いようだね。やっくん、例の物を。」
竹内がそう呼びかけると、斎藤は持っていたバッグの中から
スケッチブックと、ペンを取り出した。

「これさえあれば、お前らなんて怖くないんだからなー!」
いつものネタでやる子供口調で喋る斎藤。
何をするのかと思えばスケッチブックに絵を描き始めた。
「…そんなモノで、俺たちを殺せると思うのか?」
小沢は、一歩も引かない様子で喋る。
「…そんな事言ってられるのも、これまでさ…。」
竹内は何やら余裕の表情を浮かべて笑った。
「何が可笑しい…!気にいらねぇな…。」
井戸田は言った。
「気に入られなくて結構・・・・さぁ、やっくん書けたかな?」
竹内は斎藤に呼びかける。
「うん!出来たよ!!」
と斎藤は、スケッチブックを見せる。
スケッチブックに描かれていたのは、二丁の拳銃。

「ふん、そんなスケッチブックに書いたって、俺達は殺せないぜ?」
小沢は余裕を装いながら言う。
それに対し、竹内は余裕の笑みを浮かべ言った。
「まだまだ、ショーはこれからさ…。」
斎藤は上着のポケットから石を取り出しスケッチブックの上に石を翳す。
すると、石が淡い、紅い光を放ち始め
スケッチブックに描かれた拳銃が、次第に斎藤の手元に移る。
「…これは…!?」
井戸田は信じられない、と言った様子で眼を見開いた
「これが、石の力さ。」
竹内は言った。
「石の…力…!?」
小沢は一歩、後ずさった。
「石の使い方を知らないキミ達は脱落決定!」
斎藤はそう言うと、拳銃を竹内に手渡す。

斎藤から銃を一丁受け取ると、竹内は小沢へ銃を向けた。
斎藤も、井戸田に銃を向ける。
「さぁ、どうする?今、石を渡せば、命は助けてやる。」
竹内は笑みを浮かべながら言う。
「…くっ…。」
小沢は迷った。
死にたくない、殺されたくない。
何よりも、ここで闘うことを選んだら相方の命も危うい。
自分の命よりも、相方の身を案じた。

暫しの沈黙・・・竹内と小沢は睨み合ったまま動かない。
井戸田は斎藤に銃を突きつけられて何も出来ない。

不意に、小沢の背後から沈黙を破る声が響いた
声が聞こえると同時、小沢の背中に激痛が走る。
「―つっ・・・!!」
余りの痛さに、小沢はその場に倒れこんだ
「…!!おざぁさーん!!!」
井戸田の悲痛な叫びが、工場内の空を裂く。
小沢の背中には、鈍い銀色の光を放つナイフが刺さっていた。
ナイフは小沢の真紅の血に染まっていた。
倒れた拍子に、上着のポケットから、石が落ちる。
うつ伏せになった小沢は必死に左手を伸ばし落ちた石を掴み、握り締めた。

刺したのはどうやら斎藤のようだ。
小沢を見下すような笑みを浮かべてナイフを抜き、背中の傷を蹴った。
「…!っ…ぐ…。」
うつ伏せ状態の小沢から苦痛の声が漏れる。
「小沢さんっ!!」
井戸田は近くにあった鉄パイプを手に取り、再び傷を蹴ろうとする斎藤の頭を殴った。
―ガンッ!と言う鈍い音がすると同時、斎藤はよろめいた。
「うぁっ…!ウザいんだよ、お前は!!!」
殴られたことに逆上した斎藤は銃を井戸田に向け、発砲した。

「…うわっ!」
井戸田の頬を銃弾が掠めた。井戸田は思わず唯一の武器である鉄パイプを落とした。
井戸田の頬からたらりと、真紅の血が流れ落ちる。
「…うっ…。」
小沢は立ち上がろうとするが、身体が言う事を利かない。
「…ほら〜、君の相方がピンチだよ?君が黙って石を渡せば
君も彼も助かるよ。もし渡さなかったら、君と彼は地獄行きだね〜。」
竹内がしゃがみ込んで、小沢の顔を覗き込み頭に銃口を突きつけながら言う。
小沢は、もう降伏するしかないと思い、観念したように、竹内の眼を見て言った。

「っ…わかった…石を…「小沢さん!渡しちゃダメだっ!そんな奴らに石を渡すな!!」」

降伏しようとした小沢の言葉を遮って、井戸田が止める。
そして、鉄パイプを再び手に取り、斎藤に殴りかかる
斎藤は井戸田に向けて、再び銃を構え
「五月蝿いんだよ!お前はぁぁ!!!」
と叫びながら再び銃弾を放つ
その銃弾は井戸田の右肩を貫いた。
「ぐぁ…っ…。」
「潤っ!!」
井戸田は右肩を押さえ、少しよろめいた。
右肩からは瞬く間に真紅の血が溢れ出る。
その血は手をすり抜け、流れ落ち、地に痕を残していく。
鉄パイプが再び地に落ち、カラン、と乾いた音をたてた。



現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   投稿日:04/08/13 21:22

あばれヌンチャク 能力

齋藤 恭央 (やっくん)

石・・・ローズクォーツ
能力・・・スケッチブックに絵を描くと書いた絵が具現化する。
     例えば拳銃を書くと具現化することで
そのまま使用することが可能である。
条件・・・相方(お兄さん)がいないと絵のコントロールが利かない。
     具現化には大きいものや、強い武器等を出すには
     かなりの力を用いるため、多用は出来ない。
     コントロールが利かないと言うのは、具現化した絵が銃なら暴発する、等。
     尚、絵はある程度時間が経つと消滅してしまう。
絵は大きいければ大きいほど、強ければ強いほどに
     絵が消滅する時間が早まってしまう。

竹内 幸輔 (お兄さん)

石・・・黒曜石
能力・・・やっくんが描いた絵の具現化物を自由にコントロール出来る
     それが生物ならば自由自在に操り、相手を攻撃させる事も可能
     お兄さんが一回コントロールすればやっくんも使える。
     因みにコントロールの仕方は、竹内がその具現化した物体に触れる
     事で、自在に操ることが可能である。
条件・・・相方(やっくん)が絵を描いて具現化しないと何の役にもたたない。
     具現化しないと役にたたないが、コントロールするのにはあまり力は使わない。