バトロワ風[序章]


353 バトロワ@始まり編 現在執筆中 ◆n28wRDMeV2   04/08/09 22:02

もう長いこと人が踏み入っていない島の森の中
ひたすらに歩き続ける男が二人。
「・・・おざぁさーん。」
井戸田(スピードワゴン)は先を歩く相方を呼ぶ。
「…どした?」
相方の小沢は歩くのを止め、井戸田の方を向いた。
「何で俺らこんな所、歩いてるの?」
井戸田はそう小沢に問いかける。
小沢はため息をつくと
「知らないよ、俺だってまだ頭の中混乱してんだから。」
と、言って、再び歩き出した。

そう、始まりはおよそ1時間前。
二人はお笑いのライブに来ていたはずだった。
ライブが終わり、楽屋に戻った直後
二人は、物凄い眠気に襲われた。
そして、思わず楽屋で寝てしまった
…二人が眼を覚ますと、そこは楽屋では無く、何か教室のような場所で
辺りを見回すと、同じライブをやっていた一部のヤツら
(あばれヌンチャク、ビッキーズ、おぎやはぎ、ダンディ坂野)
も寝ていて
そして首には、冷たい金属のような物がついていた。

「・・・おざぁさん?これ、どうなってんの?」
井戸田はまだ覚めきらない頭で、必死に状況を理解しようとする。
「…俺も、わかんない。」
小沢はゆっくりと、そう答えた。
小沢もかなり混乱していた。楽屋で寝ていたはずだったのに
何でこんな教室みたいな所に来ているんだ?と
自分の首にも、多少の違和感を覚えた。
暫くして再び辺りを見回すと、次々と目覚めた芸人たちが混乱していた。
「お・・小木?ここは・・・何処だ?」
おぎやはぎの矢作が小木に言う。
「わからねぇ・・・それに…なんだこの首輪…。」
小木は首筋に手をあてた。
何か、ひんやりとした感触が手に伝わった。

混乱も収まり、暫しの沈黙の後
突然、ガラリ、と教室の扉が開いてスタッフらしき男とモニターが入ってきた。
男は無言のまま、モニターの電源を入れた
すると「ある男」がモニターに映し出された。
「・・・えーと、お前らには今からゲームをしてもらう!」
モニターに映し出されたのはダウンタウン 浜田雅功だった
「…ゲッ、ゲームぅ!?!?」
後ろのほうに居た斎藤(やっくん あばれヌンチャク)が叫んだ。
「そうや、今日はある物をお前らに取り合ってもらう。」
浜田はそう言うと、アタッシュケースを取り出した。
アタッシュケースを慣れた手つきで開けると
そこには石が入っていた。
「…えー、この石をお前らに取り合ってもらう。」
浜田は石を取り出すと、石をモニターに近づけて、皆に見せた。
石は何だか小汚い、ビー玉より一回り大きい石で、何かの宝石のようだが
石は煌きを失っていた。

「この石を取り合ってもらう
 一人に一個配られるからな、これを守りつつ他の芸人の石を全て奪いつくした奴の勝ちや。
 因みにコンビチーム制やからな。ダンディはちょっと不利やけど頑張れや。
 所持者が他の芸人に石を奪われた時、それか戦闘不能・死亡で失格や。
 石を奪われた場合は自動的にその芸人は失格ゾーンに転送される。
 失格ゾーンっつーのはお前らが居る教室や。勝負が終わるまで、教室で待機、ええな?」
浜田は一通り説明を終えた。
そこに一人、体育座りで蹲り、一言つぶやく男がいた。
「…ダンディ、凄い不利だ・・・。」
ダンディ坂野は人知れず、落ち込んでいた。
「殴る、蹴る、何したってええ。石を奪い取って勝利を掴むんや。
 あ、因みに逃げようとした奴は首についてる首輪が
 無条件で爆発するから、注意せえや。」
浜田は煙草に火を点けながら言った。
「それじゃ、健闘を祈る。」
浜田は最期に笑みを浮かべて
その直後、モニターの電源が、切れた。

「…さっきの石を取りあう?あんな小汚い石を?」
ビッキーズ須知は、馬鹿馬鹿しい、と言った調子で相方に言った。
「あんな石、何の役にたつんやろ?」
相方の木部は、少し困ったような顔をして言った。
男とモニターが出て行った後、教室の外から人数分のバッグと、兵士が入ってきた。
「これより、ゲーム開始です。リュックの中には食料、水、救急箱
 後は石と武器が入っている。それでは、受け取り各自外に行きなさい。」
兵士は皆にリュックを取りに来るように促す。
そして、順番にそれぞれ出て行った。

ゲーム開始。 残り9人