衝撃Drop [3]


666  ◆ozOtJW9BFA 2005/07/10(日) 04:43:56 

「…淳さん?」 
堤下は淳に近寄った。 
淳は全然動く気配もなかった。 
ピタリと水を打ったように静かになった堤下の部屋に堤下の焦った声が広がった。 
「淳さん…淳さん!淳さん!」 
堤下は必死の思いで淳を揺さぶった。 
堤下の背中に冷たい汗が流れた。 
淳を殴った拳を見てみた。 
あんな力で殴ったのに傷一つついてなかった。 
「…う…。」 
「淳さん!」 
堤下は淳を起こした。 
「大丈夫ですか?怪我はないですか?」 
堤下は焦りながら言った。 
しばらく沈黙が走る。 
そして淳は周りを見た後ポツリと言った。 
「…此処は…何処だ?」 
堤下は唖然とした。 
「え?僕の家ですよ?」 
「…堤下の家?」 
「さっきまでのこと覚えてないんですか!?」 
堤下は何故か叫んだ。 

「え?さっきまでのこと?」 
淳が困惑顔で堤下を見た。 
どうやら演技じゃないらしい。 

打ち所が悪かったのか? 

堤下はボンヤリと淳を見た。 
後頭部をさすりながら唖然としている。 
堤下は何故かその姿をみてホッとした。 
何がなんだかわからないが悪夢から解放された嬉しさがこみ上げてきた。 
堤下はへなへなと脱力した。 
そして何故か爆笑した。 
よくわからないが何かがはじけた感覚だ。 
「…?堤下?」 
困惑顔で堤下を見つめる淳。 
しかし堤下はそんなことお構いなしに大笑いした。 
時間をみればもう午前5時。 
もう夜が明けた頃だった。 

板倉はボンヤリとベッドから朝焼けを見ていた。 
時間を見てみれば午前5時。 
板倉はため息をついた。 

今日は朝9時から仕事はいってんのに…。 

全く一睡もできなかった板倉は再度ベッドに寝転がった。 
一人しかいない部屋は異様なまでに静かだ。 
板倉はボーとしながら机の上にある石を見ていた。 

なんか嫌な感じがするんだよな…あの石。 

あの石を見つけてからどうも目が冴えてしまった。 
静かな石を見ながら板倉は突然変な感覚に襲われた。 
板倉はガバッと起きあがった。 
誰かに見られてるような感覚を感じたからだ。 
周りを見回すが勿論誰もいない。 

気のせいか? 

板倉はそう思ってまたまた寝転がった。 
しかし、板倉のその見られてる感覚は気のせいではなかった。 
今まで板倉の側にずっといたその黒い影は静かに動いた。 
これから始まる戦いの準備をするために。 

To Be Continued..