衝撃Drop [4]


138 :衝撃Dorop4話 ◆S9sWqEyVIM :2005/08/24(水) 03:05:47 

まるでバースデープレゼントのようなラッピングをされた箱の中には 

キラキラと輝くラメやビーズ。 
真っ赤な姿を隠す白い生クリーム。 
宝石のようなフルーツ。 
ケーキのようなデコレーションをされた血まみれの鶏まるまる一匹使ったケーキに添えられた
ハッピーバースデーの曲付きメールには 

てめぇはチキンだ。 
俺は衝撃の破壊者だ。 

という狂ったメッセージがかかれていた。 
「・・・ふざけてるよなぁ。本当に。」 
上田は煙草を吸いながら箱の中のケーキとは言えないケーキを見つめていた。 
器用にハート型に切られた鶏の鶏冠の切り口からは血がにじみ出て白いクリームを赤く染めている。 
「・・・なんですか?これ。」 
ついさっき上田の自宅に来た青木は箱の中を見て吐きそうな顔をした。 
「ん?あいつからの贈り物だよ。宣戦布告ってやつだ。」 
上田は煙草を加えながら冷静に言った。 
「何煙草加えてカッコつけてるんですか。」 
青木は上田のほうを見た。 
「こんなもんパッパと捨ててくださいよ。奥さんに見つかったらどうするんですか?」 
少し怒った声で上田の煙草を引ったくるとその箱の始末に取りかかった。 
上田はふぅとため息を漏らすとメールが送られたパソコンの前に座った。 
ぎしりと椅子が音を立てる。 
「恐らく・・・ここにかかれてる衝撃っつうのはインパルスの事だな。」 
上田はマウスをいじりながら言った。 
「板倉が石を手に入れた時間帯からそんなにたたずにこのメールが送られてきたって事は
恐らく敵も板倉が石を手にした事を知ってるって事じゃないですか?」 
「んー・・・恐らくな。」 
上田はメールBOXを閉じた。 
青木が箱を捨てたのを見終わると上田は青木に 
「・・・今日の板倉と堤下の予定ってわかるか?」 
と訪ねた。 
「確か9時頃にAテレビ局のバラエティー番組収録に行くらしいです。
恐らく、夕方の5時には終わるかと。」 
「そっか・・・。」 
上田はそう言うと、椅子から立ち上がった。 
「・・・誘うんですか?私たちのチームに。」 
青木は上田を目で追いながら聞いた。 
「勿論誘うに決まってるだろ。」 
上田は時計を見た。 
時計は午前七時を指してる。 
上田は携帯を手に取るとアドレス帳を開き板倉の電話番号のボタンを押した。 

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〜♪ 

板倉は携帯の着信メロディーの音で起きた。 
あんまし睡眠をとってない板倉はあくび混じりに電話にでた。 
「よぉ板倉。上田なんだけど」 
「・・・あ・・・。」 
板倉は慌てて起きると 
「おはようございます。」 
と少しかすれた声で言った。 
「おはよう。朝早くに電話しちゃって悪いな。」 
「いえいえ・・・そんなことないっすよ。」 
板倉はあくびを抑えながら答えた。 
「ところでさ、今日夜あえねぇかな。石のことで大事な話があるんだけど。」 

「え・・・?」 

板倉は机の上の石を見た。 
「あれは・・・上田さんが仕込んだんですか?」 
「ん・・・まぁ俺が仕込んだって訳じゃねぇけど・・・まぁその石について板倉、 
その石について知りたいなら午後7時にA局の近くの居酒屋に来いよ。教えてやるからよ。」 
「・・・・・・わかりました。上田さん。」 
板倉はそう言うと電話を切った。 
何故か胸の鼓動がやたら激しく波打っていた。 


To Be Continued.