enemy or friend? [intermission]


154 名前:シャロン ◆ygLwUQlNuI  投稿日:05/03/04 10:34:23 

某テレビ局で、脇田は数日振りに品川庄司と顔を合わせた。
二人とも戦闘での傷も癒え、もうすっかり元気になっていた。

「ところでさ、」
脇田が言った。
「庄司は何であの時、あの倉庫に来たんだ?」
「あー、それ、俺も気になってた。なんで?」
品川が庄司の顔を覗き込む。
「それが・・・よくわかんないんですよ。」
庄司が頭を掻きながら答える。
「なんか、仕事の帰りに、どうしてもあそこに寄らなきゃいけない気がして・・・」
品川と脇田は顔を見合わせた。
「石が呼んだ・・・んですかね?」
「・・・かもな。」

「でも、俺、石を拾ってからの記憶がないんですよ。」
「え?」
脇田は庄司のほうを見た。
「気が付いたら、品川の家で寝てました。」

石が暴走している間の記憶がないのは知っているが、あの時は庄司の石は暴走してなかったはず・・・

「・・・なんか、そういう石らしいんですよ。」
品川がため息混じりに言った。
「発動したら力の限り暴れるだけ暴れて、力がなくなると爆睡、記憶も消えると。」
「・・・タチ悪い石だな」
「そーゆーこと言わないで下さいよー!」
脇田の言葉に、庄司は不満そうに口をとがらせた。
品川が続ける。
「石が発動したら庄司はコントロールできないから、敵味方なく攻撃してくるし。
 ほんとお前、つかえねーなー!」
「品川〜!!そんなに言うと、いま石使うぞ!」
庄司がポケットから石を取り出しながら言った。
「まーまーまーまー」
二人の言い合いに脇田が割って入った。

石を浄化する以外には攻撃も防御もできない自分の石。
ただ攻撃をよけることしかできない品川の石。
恐ろしい力を持ってはいるが、誰にも制御できない庄司の石。

こんな石で、俺たちは切り抜けていけるのだろうか。
いつ終わるとも知れない戦いの中を・・・

脇田の苦悩は、今日も続く。