385 :[東京花火−scene9] ◆yPCidWtUuM :2005/11/20(日) 00:08:04
「二郎ちゃん、腰大丈夫?」
「おー、何とか…お前足とかもう平気か?」
「んー、しばらく無理っぽい」
有田が相方の手で死にかけていた頃、東京ダイナマイトは少し離れた公園でぐったりしていた。
実はレインボークォーツが光り、高野の手からサードオニキスが失われた瞬間、
彼らの前に赤いゲートが現れていたのだ。
そう、彼らを助けたのは黒の重鎮、土田だった。ゲートの中から土田が手を伸ばし、
力一杯引っぱり込んでこの公園までつれてきたのだ。
土田は一言「…疲れさせんなよ」と言い残し緑のゲートで去っていった。
「…今回は俺らの負けか」
「だねえ…悔しいけどさ」
松田は力を使い果たし、高野は石の力を封じられ、散々な結果だ。
それでも、彼らの胸の内に暗いものはなかった。
戦う相手が誰だとしても、戦う理由が何だとしても、全力で臨むのが彼らの流儀だ。
敗北も勝利もその結果でしかない。
松田と高野は顔を見合わせる。そしてつい吹き出した2人の笑い声が夜中の公園に響く。
どこぞのマンションの窓から「うるせえぞ!」と怒られ、また笑い、ひとしきり笑ってから公園を後にした。
…彼らの戦いもまた、終わらない。
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389 :[東京花火-設定] ◆yPCidWtUuM :2005/11/20(日) 00:10:59
[次長課長 能力] 波田陽区が拾った石 石:レインボークォーツ(七つの光が願いを叶える) 能力: 持ち主の、他人に関する害意のない望みを叶える。ただしもとの状態以上に他人の能力を引き上げたり、 存在しないものを作り出して他人に与えるような力はなく、使用者自身に関する望みも一定のこと以外叶わない。 つまり「仲間の怪我を治したい」「遠くにいる仲間に自分の持っている傘を武器として与えたい」は叶うが、 「自分の怪我を治したい」「仲間の力を限界より強くしたい」「仲間にバズーカ砲を作り出して与えたい」は叶わない。 また「他人の持っている自分の傘を自分に返させる」ことは可能だが「他人の傘をとりあげて自分のものにする」ことは不可能。 条件/代償: 他人に害を与えることを望む場合には、同等の害が使用者自身にももたらされるため注意を要する。 「敵に動けなくなるほどの怪我を負わせたい」という願いは叶うが、同時に自分も動けなくなるほどの怪我を負う。 叶えられる望みの大きさは「使う人間の実力」「石とどの程度波長が合うか」に左右される。 また、石を使用した際、その石に関することを中心に、使用者とその場にいたものの記憶が曖昧になる。 望みの害意のあるなしに関わらず、石が叶えた望みが大きければ大きいほど、記憶の損傷は激しい。 …以上です。 河本の能力(1)を設定しておきながら使えなかったんですが、せっかくなので全部書いておきます。 非常に長い話になりましたが、これで完結です。今回は本編として書いております。 タイトルは「東京ダイナマイト」の名前の由来となった同名の曲を製作したニューロティカより。 とはいえ「東京花火」の歌詞と本文の内容は全然関係ないです。語感です。 ホントは別の曲からとって「メシ喰いに行こう」にしようとしたんですが、あまりに緊迫感がないのでやめました…。 391 : ◆yPCidWtUuM :2005/11/20(日) 00:32:17 すいません、付け足しです。 サードオニキスは「個性を引き出す」石なので、持つ人によって石の能力が変わるという設定をつけてあります。 なのでこの話の中で波田が襲われた際、この石を持っていた刺客は河本さんとは違う力で戦っていたと思われます。 |