Jumping? --01/a promise


581 名前:ブレス ◆bZF5eVqJ9w  メェル:sage 投稿日:05/02/02 18:25:22

板倉は、先日拾った石を珍しそうに眺めていた。
「へぇー、綺麗な石だねぇ?何処で買ったの?」
その一言を聞いて、不意に板倉が顔をあげる。
「え?・・・あぁ、これ?拾ったんだ」
「ふうん・・・あんまり見ない石だもんね」
彼に近づいてきたのは伊藤。物珍しそうに彼の手元の石を見ている。
「これなんて名前の石なんだろうなぁ・・・・・・」
板倉はそう言いながらも、遠くからのスタッフの声に反応していた。


翌日、携帯に入電。
「・・・って今なんて言ったの?」
『だからさぁ、皆でちょっと、行きたいところがあるの!
はねトびのメンバー皆来てるから、早く板さんもおいでよ!』
相手は再び伊藤。元気良く話しているのが分かる。
「分かった分かった!で、何処に行けばいいの?」

――――しばらくして。
都内某所に、彼らは皆集まっていた。
よく都合良くあったなぁ、スケジュール。と誰かが呟く。
「じゃーんっ」
伊藤が皆に何かを見せつけている。それは、珍しいピンクの石。
「わぁ・・・っ、いいなぁ・・・」
そう言ったのは虻川。
「それに比べて・・・」
目線を自分の手元に落す。手の中には銀色の石が入っている。
「虻ちゃんのも綺麗だよ?」
数名にそうフォローされて、虻川の顔がちょっと嬉しそうに輝いた。
「でさぁ、今日の用件、ちゃちゃっと済まさねぇ??」
めんどくせぇ、と漏らしたのが堤下。
「せやな、何の用やったっけ?」
と続けたのは西野。
伊藤が、そうそうと言いながら今日の目的を話す。
「皆、こう言う感じの石を持ってるって聞いたから、お揃いでアクセサリー作らない?」
この提案に開口一番
「せやかて、俺もうチョーカーに加工してもうたし」
と、西野が一言、自分の首もとの黒紐を引っ張りながら言う。
「あぁ、俺もだ」
堤下も腕にはめている革の腕輪についている石を見ながら言った。
それに続いて「ごめん俺も」と馬場。
彼のケータイにはストラップの形で石が付けられていた。
「あぁ、俺もやったわ」さらに続くは塚地。
石の姿はキーホルダーに変わっている。
「えぇーっ?!いいなぁと思ったんだけどなー」
「まま、残りの皆で合わせればよくない?ね?伊藤ちゃん」
山本がすかさず伊藤に言った。
「・・・っ、そうだけどさー」
ぶつぶつ言い続ける伊藤を、山本がなんとか宥める。

「なぁ?」
不意に、梶原が声をあげる。
「・・・どうしたの?梶原君」
「・・・・・・あんな、もしアクセサリー作るんやったら、普通のじゃないのにせぇへん?」
「え?」
「いやな、皆で合わせるんやろ?したら、普通のアクセやったら他のと被るやろう?
せやたら変わったアクセにしようや」
変わったって・・・、と皆が声を合わせて悩み始めた。
「・・・アンクレットとかは?」
西野が横から突っ込んできた。
「アンクレット、か・・・。なにそれ?」数名から同じような言葉が聞こえてくる。
「アンクレット言うんは、足につける飾りの事やねん。
そんで、皆同じ足の足首につけたったらええやろ?」
同じ事をする事に、絆を感じる。それが、きっと仲間だと思う。
そこにあった「石の加工所みたいなところ」と伊藤が案内した場所で石を加工する。
それから数分。
「これいいなぁ、うん、新しい感じがする」
出来あがったチェーンで結んだアンクレットを、秋山が誉めた。
皆同じで右の足首に、石しか違わないアンクレットをつけている。
「これからは皆、これつけてよ?」
そう伊藤が言った。
「うん」
「分かってるよ」
「もちろん」
口をそろえて皆がそう返した。
虻川がそれを見て「やっぱ皆仲良いよねぇ」と漏らした。
その仲が、引き裂かれる事も知らずに。