BBSI[1]



733 名前: 暗膿-1- ◆8Ke0JvodNc   Mail: sage 投稿日: 07/12/20(木) 00:26:35 

そういえば、石。
自分達とバイト店員以外はいないモスバーガーで大水が何の気なしに呟いたのは、
ちょうどネタをつくっている最中のことだった。
それが今までネタの案を挙げていた口調と全く同じに呟かれたものだったので
反射的に「石」と書いてしまった飛永はその一文字に取り消し線を引きながら顔を上げた。
「石?」
「とうとう来ちゃったよ」
そう言いながらゴソゴソと取り出した大水は、石をテーブルにコロンと転がす。
テーブル上を落ち着きなく転がりまわる球体の石は紺色の絵の具に白を混ぜたような深い青で、
透き通ってはいないかわりにしっかりと磨かれ、キラキラと輝いていた。
石の様子を目で追う飛永に、アベンチュリンっていうらしいよ、と大水は告げる。
「アベ…なに?」
「アベンチュリン。別名はインド翡翠。あ、でも翡翠では無いんだって。
翡翠に似てるからそう呼ばれているだけで。
似てるって言われるだけあって大抵は緑のものが多く出回っているんだけど、
こういう風に青いのは珍しいんだって。それで…」
「ちょ、ちょっと待って」
止めなければいくらでも話し続けそうな大水を一度制して、飛永はノートを閉じた。
こういう話はついで感覚でするものじゃないし、何より聞きたいことがたくさんあったからだ。

飛永は石をつまみあげると大水に渡してしまうよう促し、きちんとしまったところで口を開いた。
「なんで種類とか知ってるわけ?」
「調べてもわからなかったから、持って行って聞いた」
しれっと答える大水に、飛永は驚きと呆れを隠せなかった。
ひくりと顔がひきつったのが自分でもわかる。
大水の口ぶりから石を手に入れたのはここ数日の出来事なのだと勝手に解釈していたが、
もっとずっと以前から大水は既に石を手に入れていて自分に黙っていたのではないか。
嫌な予感を否定してくれるようにと、飛永は祈るような思いで言葉を続ける。
「ちなみにその石で何が出来るかわかってるとか言わないよね」
「いや、もうわかってるけど」
頼みの綱も簡単に切られ、飛永は頬杖をつくと大きなため息を吐きだした。
噂を聞く限り、石を手に入れた者が能力に目覚めるのは個人差があるという。
石を手に入れた瞬間反射的に能力に目覚める人もいれば、
何かの拍子に発動して初めて能力を知る人もいる。
大水のことだから手に入れてすぐに能力を…という仮定も出来ないことはなかったが、
そういう人はごく少数だそうなので、多分石を手にしてからある程度経っている可能性の方が高い。
別に自分に言わなければならないという決まりごとはなかったが、
石については散々二人で話していたことだったのだから
手に入れていたのならすぐにでも教えてくれたっていいだろう。
飛永は恨めしげに大水を睨むと、もう一度深いため息を吐いた。

彼らにとって、石の話は決してまことしやかに語られる噂話などではなかった。
厳密に言えば「身近な話だが蚊帳の外」といった具合だろうか。
他の事務所や他の芸人はどうだかわからないが、
彼らにとっての石とはそういう存在だった。
その点は人力舎という事務所柄が少なからずに関与している。
大っぴらに石を使って行動する先輩やら、突如奇怪な行動をとったと噂される先輩やら、
白のユニットや黒のユニットと呼ばれる者達の攻防やら。
人数が少なく厳しい上下関係があまり存在しない人力舎内において、
不思議な石とそれを持つ人々の能力、そして彼らの戦いは後輩達に筒抜けだった。
中には実際に石を使っている現場を目撃した者までいる始末だ。
ただし、話を耳にした後輩達の感想は様々である。
ある者は芸人たる証である石を手にしたいと望んだし、
ある者は面倒事に巻き込まれたくないと感じた。
そして、ラバーガールの場合は二人とも間違いなく後者であった。

そんな二人が仮定の話で、と石についての方針を決めたのはもうずっと前のことである。
方針、といってもそんなに大そうなものではない。
あくまで「もしも」の話を、ぼんやりと話し合ったにすぎない。
能力が開花する時期はともかく、一方にだけとても早く石が渡ることはないだろうし、
一方が勝手に動いても絶対互いの関係がギクシャクする。
石のために石を手に入れるきっかけとなった芸事を疎かにするのもどうかと思うし。
石にまつわる噂話が徐々に熱を帯びて飛び交い始めた頃二人が話し合って決めた方針は、
「石が実際に手に入ってから改めて話し合うが、手に入るまでは無関心・無知を装う」というものだった。
それから二人は何年もの間、興味の無いふりを徹底した。
実物を持っていなかったから特に意識をせずにできたし、
石についての話を持ちかけられても何度か敬遠してやれば、
次第に話し相手に選ばれることはなくなった。
けれどそれはあくまで「装う」だけであって、
耳に入って来た情報や石・能力に関しての知識は徹底的に収集した。
いつかやってくるかもしれないその時、身の振り方を決めやすいように。

これを続け、今。
とうとう自分達の元にも石がやってきてしまった。
他人事だったものが自分達にも関わりのある話になってしまう恐ろしさ。
これからのことを考えると、二人はただただ憂鬱で仕方ない。
「一か月前、起きたら枕元にあってさ」
「そんなに前からかよ。少しは言ってくれてもよかったんじゃないの」
「…うまいこと、なかったことに出来ればいいのにって思ってたから」
面倒、と言いながら大水は紙ナプキンに手を伸ばす。
そしてグラスなど周囲のものをどかしナプキンを広げると、
飛永のノートに挟んであるペンを抜きだし何かを書き始めた。
2本の縦線で区切られた3つの空間に、少しずつ文字が書き込まれていく。
飛永は眉を寄せながら字を見つめ、どうにか書かれている内容を理解した。
本来書く用途に使われる紙でないこと、飛永から見ると逆さに見えることを差し引いても大水の字は汚く読みづらい。
例えばそれが見慣れた名前でなかったから読むことなど出来なかっただろうと、飛永は心の中で苦笑する。
大水が書き込んでいたのは芸人達の名前だった。
3つに分けられているのは「白」「中立」「黒」なのだろう。
事務所の先輩、ライブや番組で見知っている芸人、舞台上以外でも親交のある芸人、様々な名前が書き込まれていく。
少しの時間を要し書き終えた大水は満足げに息をつくと、右手で氷が溶けきって水だらけになったグラスをあおり
左手でナプキンを反転させ、飛永に見せた。
飛永はもう既に大体の内容を把握している紙を律儀にもう一度確認すると、へえ、と声をあげる。
相方ながら、よくぞここまで調べ上げたものだ。

飛永は感心しながら字を追い、ふとした疑問が浮かんだ。
それは、お互い公私ともに親交のあるコンビのこと。
「ギースは?」
「ギース?わかんない。まだ持ってないんじゃない?この前もそういう素振りなかったし」
「まーね」
最近、この2組は合同ライブを行っていた。
その時は稽古・楽屋・本番・打ち上げ等、相当な時間を共に過ごしたが、
彼らの石の目撃もしなければ特に話題としてのぼることもなかった。
元々石への関心が無いように装っていたので気を遣って話をしなかっただけかもしれないが。
疑問がいったんの解決を見せたところで、大水は本題とばかりに指でナプキンを叩く。
下のテーブルがコンコンと音を立てたのに反応して、飛永は視線を再びナプキンへと戻した。

「知ってるのはこれだけだけど、大体は白に偏ってる」
「そうだなぁ…人力内の情報がほとんど、ってのが原因だと思うけどな」
「っていうか黒の情報が少ない」
「黒は簡単に尻尾出さないだろ。それに人力内で黒側って相当勇気必要じゃない?」
「確かにね」
皮肉るように笑いながら、大水はペンで真ん中の空間を指した。
「出来れば、希望はここなんだよ」
「あくまで出来れば、な…難しそうだよ」
「そう。おぎやはぎさんならともかく、下っぱの俺らがずっと中立でいられるかって言うと微妙だし」
「協力しろって言われたらしなくちゃいけないだろうし、もしもが無いとも言い切れない」
「矢作さんのこともあったし。どんなに抵抗したって、やられる時はやられるよ」
「となるとやっぱり白かぁ」
戦うの嫌だなーと頬杖をついていた方の手で頭を掻く飛永を見て、大水が声を抑えて笑う。
それに気づいた飛永がわけがわからないといった表情で見てくるので、
大水はからかい交じりに飛永に腹のうちを告げた。
「まだ石持ってないのに、って思って」
「どうせそのうち来るでしょ」
「万が一の時のために使える力だと良いね」
「…そうだ、力だ力。どんなことできるの、それ」
出来れば自分達を守るのに少しでも有利な力の方が良い。
飛永の問いかけに、大水は少し考えてから、実際にやってみようか、と言った。

「え、できるの?」
「まー攻撃じゃないからね、人もいないし…大丈夫かな」
「でも店員いるよ。見られちゃヤバいんじゃねーの?」
「大丈夫大丈夫。見えるようなものじゃないから」
「は?」
大水はさっきと同じように石を取り出すと、指を組み石を両手で強く握りしめた。
手と手のすき間から一瞬青く淡い光が漏れる。
それを確認すると、大水は特に何をするでもなく、石を元の場所へ戻した。
けれどもいっこうに変化は訪れない。
いつもは冷静なツッコミを返せる飛永も、こればかりは冷静でいられなかった。
「え?え?どういうこと?」
「これでオシマイだけど」
「何にも変わってねえじゃん」
「そういうわけでもないんだけどね…」
言葉を濁しながら、大水はちらりと店員を見る。
と、その瞬間、ジリジリジリジリとけたたましい音が鳴り響く。
慌てた様子で店員は奥へ入っていく。
よくドラマや避難訓練で耳にするような火災報知ベルの音だ。
驚いて立ち上がる飛永とは対照的に、大水はどこか楽しげに奥を見続けている。
その様子を見て、飛永はピンときた。
これが、大水の能力なのだと。
え、でも…火災報知ベルを鳴らすことが?
飛永は席に着くと、大水の説明を待った。

やがてベルの音がやみ、疲れた表情で出てきた店員が、誤作動でしたと申し訳なさそうに告げた。
大水は相変わらず楽しげである。
「説明しろ。さっぱり飲み込めないんだけど」
「簡単に言うと、この石の能力は危機回避」
「危機回避?」
「隠れているのを見つけられないようにしたり、逃げるチャンスを与えてくれたり」
「で、今のは?」
「この石は、自分に敵意を持っている人に作用する。あ、そこは例えば飛永に使う場合も一緒ね」
「ってことは、あの店員は敵意を持ってた、と」
「やっぱりたったこれだけの注文で入り浸られるのは迷惑だったんだなー」
「…あれは逃げるチャンスをくれた、ってことになるんだろうなぁ」

他人事のように話す大水を横目に、飛永は聞かせるでもなく呟きながら残っている烏龍茶に口をつける。
変に緊張して、喉が渇いていしまった。
こちらも同じようにあらかた氷が溶けてしまった烏龍茶には、もう一個氷が沈んでいるだけである。
薄いな。そう思ったと同時に、突然飛永の頭の中に別の思考が飛び込んだ。
こんなに大きな氷があるだろうか、これだけなぜ残っているのだろうか、氷は沈むのだろうか。
飛永は急いで全て飲み干すと、ずっと氷だと思っていた塊をグラスの中から引き上げた。

塊の正体は、氷でもなかったし恐らくガラスでもない。
これは、石だ。
大水は、おー、とまるでちょっとしたマジックでも見た時のようなのん気な声を上げる。
実際はだいぶ驚いているのだが、元々緊張感が少ないためのん気に聞こえる。
飛永はそのことに特に触れるでもなく、まじまじと石を眺めた。
茶色い液体のせいで色がしっかりわからなかったその石は
ピンクと緑の2色がグラデーションのように混ざる不思議な石だったが、
どうしてかそれが自分のものであることは最初から決まっているように思われたし、
この石が持っている能力も、石が自分の手と同じ温度で馴染む頃にはすっかり理解しきっていた。
どうしてと言われれば答えられない。
強いて言うなら自分の分身のようなものだから、だろうか。
随分すぐに追いついたな、飛永は大水を見ながら人の悪い笑みを浮かべた。
「この石カウンター効くって」
「なんでわかるの?」
「なんとなく」
先ほどと立場が逆転し、大水はやれやれと苦笑した。
実のところ大水が石の能力を理解したのはつい1週間前のことだ。
あの時だって、面倒事があったのでちょっと念じてみた…ときっかけがあってのこと。
けれど飛永はそうしたきっかけもなしに、石を手に入れた瞬間に能力に目覚めた。
人によって個人差があるというがここまでとは…というのが大水の正直な感想である。
飛永は、使ってみるか、と呟いた。
大水はもちろんとばかりに頷く。
カウンターと言われてイメージしてみたが、いまいちどういうものかつかめない。
それに今後を決める上でも、互いの能力を知ることは絶対に必要だ。

飛永は石を握り、少し迷うように天井を仰ぎながら一言短く呟いた。
「黒のユニットの誰かが、何かしている」
飛永はすぐに行動に出た。
まずは携帯電話を取り出し、そこから名前を探し出す。
誰の名前を探しているのかは、飛永自身にもわからない。
大水は不審に思いながら、恐る恐る尋ねた。
「何やってるの?」
「今、黒のユニットに所属している誰かの行動をトレースしてるの。
トレースっていう言い方もあんまり正しいとは言えないけど。
あー、やっぱり駄目か。『誰か』とか『何か』とかだと曖昧すぎるみたい。
『わかりました、もう結構です』」
「結構?何が?」
「力を解除したんだよ。…ごめん、あんまり参考にならなかったな」
「…飛永の力は『誰かの動きを複写する』ってことでいいの?」
「複写するんじゃなく、奪うって方が正しい」
「奪う?」
「今、黒のユニットの誰かが、電話かけようとしてたみたい。
電話かける寸前で解除したから、電話をかける行動自体は奪ってないし。
少し動けなくなる時間が続くだろうけど…きちんとかけられるんじゃないかな?」
ついでに黒のユニットの誰かの正体がわかればよかったのに、と愚痴る飛永は
口調とは裏腹に満足げな表情をしており、よほど石が使えて楽しいのだろうと容易に想像できたし
その感情は大水にも十分理解できた。
二人とも、争いに参加したり面倒事に巻き込まれない分にはこういうのが嫌いでないのだ。

「誰にかけようとしてたの?」
「ホラ」
放り出された携帯電話にうつるのは、「大水洋介」の文字。
「俺?」
「…相方にでもかけるつもりだったんじゃないの?」
「あー、なるほど」
「相方のいる芸人なんて…多過ぎて人物特定が出来ないよ…あ」
小さい呟きと共に、飛永が嫌そうな表情を浮かべる。
どうかした?大水がそう聞いても、飛永は嫌そうな表情を深くするだけである。
表情を変えず、飛永は口を開いた。
「まずいな、対象が曖昧なのにはりきっちゃったから相当力使ったみたいだ。
これから俺、1時間くらい耳が聞こえない状態になるから。
もし何か話があるんだったら筆談にして…そうだ、できるだけ綺麗な字で書けよ」
言い終わるや否や、飛永はテーブルに伏せる。
代償とは関係なしに、少し疲れてしまったようだ。
大体、いきなり大技を使いすぎではないだろうか。
カウンターとは言われれば確かにそうもとれるが、さっきの場合は明らかにその域を出てしまっている。

大水は、飛永を見ながらぽつりと漏らす。
「聞こえなくなる、かー」
石を使うことで代償が生じてしまうのはとっくに知っている。
自分の能力を軽く小出しにしか使ったことの無い大水は、まだ自分が食らう代償を知らないが。
本当に聞こえないのか確かめてやろうかと身を乗り出したが、やっぱり何もしないでおこうと思いなおす。
「どうしようかな」
とりあえず回復したようならきちんと話し合わなければ。
筆談にしろ、とは言われたものの相手がこの状態では話のしようがない。

希望は中立、でも無理ならば白。
何も無いのに自ら黒に進もうとするなんて、考えられないし。

ぼんやりと色々なことを考えていると、突然大水の携帯電話が音をたてた。
相手は、コンビ揃っていつもよくしてもらっている先輩。
ふとさっきのことがよぎったが、まさか、とためらうことなく大水は通話ボタンを押した。
「今野さん?どうしたんですか?…いえ、まだ…」

彼らはまだ知らない。
この電話から自分達が避けていた道へ大きく踏み出してしまったことを。
まだ、知らないでいる。




747 名前: 暗膿-1- ◆8Ke0JvodNc   Mail: sage 投稿日: 07/12/20(木) 00:47:14 

まずここまで、続きは現在執筆中です。
ところで今野だけなら出しても問題ないですかね…?

大水洋介
石:ブルーアベンチュリン(インド翡翠)
  ギャンブルストーンとも呼ばれ、チャンスを与える石。
  記憶力・発想力・洞察力を高めるが、ブルーは特に知覚に優れる。
能力:1.一定距離内で、自分or自分が守りたいと念じた人への敵意を察知、相手が発見するのを阻止できる。
   2.逃げ場のない場所、同空間上では予想外の事象が発生、回避の機会が与えられる。
条件:発動条件は石を握り、強く念じること。
   2の場合、機会は与えられるが回避できるかは本人次第。
   自分以外に発動させる場合、その人が自分に危険が迫っていることを自覚しているか、
   不安・苛々・恐怖・疲労いずれかの感情を有していなくてはならない。
   回数制限は無いが、発動時間や力を使う相手との距離によってにより
   発動中は身体能力が、解除後は洞察力が著しく低下し、ぼーっとする。

飛永翼
 石:パーティ・カラード・トルマリン
   宝石言葉は「再現」。静けさと落ち着き、深く考える力を与えてくれるパワーを秘めている。
   1つの石に混在する2色は過去・未来を表し、過去の辛い思い出を捨て未来へ向かうサポートをする。
能力:相手が仕掛けようとしている攻撃を見切れば、逆にその攻撃を仕掛けられる。
   見切って口に出した分の攻撃を相手から奪うので、相手の動きを封じることが出来る。
   攻撃に限らず、ごく普通の行動の場合も応用は可能。
条件:発動条件は相手がしようとしている攻撃について攻撃より先に口に出すこと。
   (あくまでカウンターに限ったもので、相手の攻撃・行動を予知できる力はない。)
   一度口に出したものの取り消しは丁寧な相槌(ツッコミ?)を打つことで可能となるが体力を消費しやすい。
   相手との距離はどのくらい開いていても構わない。(極端に言えばその場にいなくても構わない)
   より詳しく述べて威力が、早く述べてスピードが増し、冷静に述べて攻撃時の自分へのダメージが減る。
   回数制限は無し。対大勢の場合は力が分散されるため弱くなる。
   解除後は消費体力が回復するまで聴力が失われる(1時間程度)。