願いの叶う石


165 名前: ◆8uJZWGzz3U  投稿日:04/11/13 18:52:40

「願いが叶う石をあげよう」
飛石連休の岩見くんは、こう言われておばあさんから宝石のような石を貰ったのです。
しかしとてもその言葉を信じられなかった岩見くんは、
「じゃあ、あしたになったら藤井くんみたいに大きくしてくれへん? なんて」
石に向かって呟いてみました。

次の日の朝のことです。
岩見くんは目が覚めました。
変な感じがします。
何故だか周りが小さくなったような…
「って、ぼくが大きくなってるやん!」
岩見くんは身長180cmのニキビでマッシュルームという、トンでもない容姿になっていたのです!

慌てながらも昨日自分が言った言葉を思い出します。
岩見くんは願いが叶うのならば、元に戻ることを願えばそれもまた叶うのだろうと考えました。
「おねがい! 今すぐもとにもどしてぇ!」
石がチカッと光りました。

そして周囲を見渡すと、そこはいつも通りの世界でした。
岩見くんは、またああなったら怖いなぁと思いながらお仕事へ向かいました。

そしてここはとあるライブ会場。
岩見くんはジッと石を見つめて先ほどのことを考えています。
「岩見〜!」
相方の藤井くんに呼ばれ、岩見くんはその場を去りました。

ところが何という事でしょう!
石をその場に置き忘れてしまったのです。

「ん、何コレ?」
岩見くんが残した石を手に取ったのは、18KINの今泉くんでした。
その時、楽屋のテレビに映画が流れていました。
「あんなダンディな声出してみたいなぁ」
石が光ったことに今泉くんは気づきませんでした。

「今泉さん、何ボーっとしてるんですか?」
「え?」

その声はとてつもなくダンディになっていました。

「い、今泉さん、風邪でも引いてるんですか?」
「引いてない! 引いてない! あー、あー!」
今泉くんも驚きましたが、声を掛けた後輩芸人さんもビックリして呆気に取られています。

「あ〜! その石!!」
すると、その光景を見つけた岩見くんが叫びました。
「え? 何? 何?」
今泉くんがダンディな声で慌てているのは、何とも滑稽な光景です。
「いいから、その石にむかってもとにもどりたいって言ってよ!」
「も、もももも元に戻してぇ!」
石がピカッと光りました。
今泉くんは「あ〜あ〜」と声を確かめて、
「元に戻ってる!」
と元の声高い声で嬉しそうに叫びました。

するといきなり、
「もう、こんな石!」
岩見くんが窓から石を投げ捨ててしまったのです。
「なんだよ〜、元に戻れるならもう一回声変えたかったのに」
「えぇ? なんかこわいやん」
今泉くんは文句を言っていますが、岩見くんはこれでもう終わりだと思っていました。

「おやおや、昨日の今日じゃないか。今回の子は上手く使えなかったんだねぇ」
ライブ会場を見上げながらおばあさんが呟きました。
たった二回かい、と言いながらおばあさんは石を拾いました。
「これじゃあ『返り』が少ないねぇ、つまらないものよ」

次の日岩見くんは小人になり、今泉くんは超音波を発するようになったのは、また別のお話。


170 名前:願いの叶う石 ◆8uJZWGzz3U メェル:sage 投稿日:04/11/13 18:59:07

石…ホワイトファントム(願望や夢をかなえるといわれてる水晶)
※176註...一時的な所持の為、「登場芸人」には記載していません。